ストキャスティクスの使い方を「中身」を見ながら解説します!

はじめまして。こんにちは。
プログレッシブなニート、通称「プロニート」ORZです。

今回は、ついつい舌を噛んでしまいそうな名前のインジケーター「ストキャスティクス」のお話です。

ストキャスティクスは今ひとつ話題性に掛ける「ちょっと残念な」インジケーターですが、そもそもストキャスティクスが「何を元に?どのように計算して?どんな結果を見せてくれるモノなのか?」ご存知でしょうか?

実は、ストキャスティクスの中身を覗いてみると他のオシレーターとは一線を画するモノだということがわかります。もちろん使い方も色々あって、単なる「上がり過ぎ・下がり過ぎ」だけの指標ではありません。

つまり、ストキャスティクスにはストキャスティクス独自の使い方があって、他のインジケーターでは出来ないことが、ストキャスティクスで出来るようになるんです。

FXではチャートから情報を収集するスピードで勝敗に影響します。ストキャスティクスが有効になる状況や使い方を正確に把握しておくことが、FXでの勝利に直接つながるのです(´ー`)

この記事では、ストキャスティクスの中身を紐解きながら、実戦で通用する使い方を解説しています。今ひとつストキャスティクスの使い方に「ピンッ」と来ていない方は、改めて本来の使い方を身に着けていってください。

ストキャスティクスとは?基本知識と役割について

ストキャスティクスをチャートに表示させた画像
ストキャスティクスについて超・簡単に説明すると「過去の値段と比較して、今の価格は、どれくらい高いか?安いか?」を見るためのインジケーターです。

チャートに表示されるグラフは全部で3種類あり

  1. %K(パーセントKライン)
  2. %D(パーセントDライン)
  3. %SD(パーセントSDライン)

と、名前が付いています。
計算によって求められたそれぞれの値が0〜100までの範囲で上下に揺れ動くようにグラフで表示され、「80以上で上がり過ぎ」「20以下で下がり過ぎ」という見方をします。

まとめると、ストキャスティクスは過去の値段と比べて見たときに、今の値段は「高い傾向にある、安い傾向にある」という目的で使用されるインジケーターです(´ー`)

ストキャスティクスが出来上がるまで(計算式)

ストキャスティクスを、単なる「上がり過ぎ・下がり過ぎ」の指標として使う前に、ちょこっとだけ中身を覗いてみましょう。
ストキャスティクスの計算式を図解している画像
↑コチラはストキャスティクスの設定を「14・3・3」として時の計算式を図解したものです。ちょっと小難しい話にはなりますが、テクニカル分析でインジケーター本来の性能を引き出せる使い方がわかるはずですよ(・∀・)

%K(パーセントKライン)

%Kを強調したチャート画像

%Kの計算式

(直近の終値-A日間の最安値)÷(A日間の最高値-A日間の最安値)×100(%)

一定期間の高値から安値までの値幅の中で、現在値が安値から何%の位置にあるかを表した値です。数値が高くなればなるほど「買いが強くなっている」となり、数値が低くなればなるほど「売りが強くなっている」となります。

この時「80=買われ過ぎ」「20=売られ過ぎ」という見方が一般的ですが、これだと少々アバウトです。数値が80や20といった節目を抜けるということは、それだけ強い勢いが発生しているということですので、トレンドが強化される可能性も含まれています。

そのため、単に80や20といった節目を超えるかを見る前に、今のチャートはトレンドなのか?レンジなのか?といった環境認識が大事(´ー`)

上昇トレンド相場でストキャスティクスが80超えをすれば「トレンド継続」の可能性を示唆し、レンジ相場の安値で20を下回れば「価格の反転」の可能性を示唆するのです。

%D(パーセントDライン)

%Dを強調したチャート画像

%Dの計算式

(直近の終値-A日間の最安値)のB日間の合計 ÷(A日間の最高値-A日間の最安値)のB日間の合計 ×100(%)

%Dは、%Kの移動平均線です。%Kを平滑化(平均化)した数値をチャート上に表示させているので、%Kよりも少し遅れています。

移動平均線といっても「押し目・戻り目」を見るために使うのではなく、「ゴールデン・デッドクロス」を見るために使われるのが一般的です。
ただ、%Kと同様に「いつ・どこでシグナルが出ているのか?」を判断することが大事なので、シグナルを見る前に、必ず環境認識は済ませておきましょう。

%SD(パーセントSDライン)

%Dを強調したチャート画像

%SD(S%D)の計算式

(%DのC日間の合計)÷C日間×100

%SDは、%Dの移動平均線です。つまり、%Kの移動平均線の移動平均線です。ややこしいですよね(笑)
なんでそんなに平滑化したがるのか?という点が気になりますが、これは「平滑化したほうがノイズが少なくなる」という利点からです。

そのため、現在のストキャスティクスは%Dではなく%SDを使っていることが多いです。

ちなみに%Kと%SDを使っている場合を「スローストキャスティクス」と呼び、%Kと%Dを使っている場合を「ファーストストキャスティクス」と呼びます。

ストキャルティクスの計算の紹介は以上になります。
一緒にシグナルについてもさらっと紹介しましたが、ここから更に詳しく紹介していきます。ストキャスティクスならではの使い方もありますので、要チェキです(・∀・)

ストキャスティクスの基本シグナルの見方と考え方

上80、下20の節目超え。

ストキャスティクスの基本シグナルの画像
ストキャスティクスの使い方の中でも広く知られているのは、「80」「20」を節目として

  1. 80を超えたら上がり過ぎ
  2. 20を下回ったら下がり過ぎ

と判断する方法です。
しかし、ストキャスティクスの上昇や下落は「買い・売り圧力が増している」というのを示唆するだけですので、トレンド相場、レンジ相場で見方を変えるのが正解(´ー`)

相場環境ごとのシグナル判断

状況 / シグナル 80超え 20超え
上昇トレンド トレンド継続 トレンド終了
下降トレンド トレンド終了 トレンド継続
レンジ 価格の反転orレンジ終了 価格の反転orレンジ終了

レンジ相場の場合は判断が難しいです。
というのも、レンジ相場では「逆張り」が一般的なトレード手法になるのですが、ストキャスティクスは「価格が上昇し続ける」場合も80超えをします。

そのため、「レンジの高値・安値圏抜け」からトレンド転換する場合もあるんです。いわゆる「ダマシ」と言われるモノですね。
そこで、このダマシを回避するために注目していただきたいのが「ストキャスティクスの高値・安値超え」です。詳しくは次の「ダイバージェンス・リバーサル」紹介します。

ダイバージェンス

ストキャスティクスのダイバージェンスの画像
ダイバージェンスは、ストキャスティクスの高値・安値と、ロウソク足の高値・安値の逆行現象のこと。トレンドの転換を示唆するシグナルとして非常に有効です。

・上昇トレンドでは、ロウソク足とインジケーターの「高値」に着目し、ロウソク足が高値を切り上げている時、RSIが高値を切り下げていればダイバージェンスです。
・下降トレンドでは、ロウソク足とインジケーターの「安値」に着目し、ロウソク足が安値を切り下げている時、RSIが安値を切り上げていればダイバージェンスです。

もっと詳しく!ダイバージェンスの使い方

ロウソク足とストキャスティクスIの動きが逆行する現象の原因は「価格を更新しているにも関わらず、過去の平均値に比べて変動幅が少ない」という点にあります。

「見た目は強気だけど、実はあまり自信がない相場」と考えるとイメージしやすいかと(´ー`)
価格を更新しているので、パッと見は「トレンド継続の意思がある」ように見えるのですが、その裏では「売り圧力」に押され始めているために過去の変動幅を上回れない。結果、次第に価格の向きが代わってしまう。これがダイバージェンスが起こる原因です。

リバーサル

ストキャスティクスのリバーサルの画像
リバーサルは、ダイバージェンスの反対で「トレンド強化」を示唆するシグナルです。「ヒドゥンダイバージェンス」とも呼ばれています。

こちらも「上昇トレンド」と「下降トレンド」で見方が変わるのですが、ダイバージェンスとは見る箇所が反対になります。

・上昇トレンドでは、ロウソク足とインジケーターの「安値」に着目し、ロウソク足が安値を切り上げている時、RSIが安値を切り下げていればダイバージェンスです。
・下降トレンドでは、ロウソク足とインジケーターの「高値」に着目し、ロウソク足が高値を切り下げている時、RSIが高値を切り下げていればダイバージェンスです。

こちらは出現頻度が少ないですが、判断が難しい「押し目買い・戻り売り」の精度を高めてくれる数少ない指標の1つです。是非覚えておきましょう。

もっと詳しく!リバーサルの使い方

リバーサルはダイバージェンスと比べても「わけのわからない現象」に思えますが、実はこれもそこまで難しい話ではありません。

この現象の原因は「価格の向き(トレンド)とは逆方向へ大きく変動しているにもかかわらず、買い・売りの圧力が継続している」という点にあります。

「反対圧力にも屈しない強靭な相場」と考えるとイメージしやすいでしょう。
過去を上回る変動が現在とは反対方向へ発生しているにも関わらず、価格そのものは依然強気を示している。そのため価格の方向は変わらず、それまでよりも強い勢いで進み出す。これがリバーサルが起こる原因です。

高値・安値に注目する意味は

さて。ここまでの話の中で「ちょっと何言ってるのかわからない」というヒトもいると思います。無理もありません。ややこしいですからね(笑)

ですので、今ひとつ分かりづらいと感じているヒトは「とにかく今より前の高値安値を見る」という点を意識してください。

例えば、「ストキャスティクスの高値が徐々に切り上がってきている」という場合は、徐々に買いが強まっていることを示唆します。もし、それが上昇トレンドで起きていたらどうでしょうか?

「トレンドが強化される可能性大」と判断できますよね?(・∀・)

このように、「ダイバージェンス」「リバーサル」といった格好良いカタカナの名前が付いたシグナルを頼るよりも、インジケーター本来の性能に目を向けたほうが分かりやすいです。

まずは格好良さよりも、分かりやすさを重視して分析をしましょう♪

ストキャスティクスのオススメ設定。

ストキャスティクスの設定は「参照したいロウソク足の本数を増やすかどうか?」で決めましょう。

例えば、基本設定が「5」ならロウソク足5本を参照していることになるので、これを「14本」に増やしたりするとか。

ストキャスティクスも他のインジケーターと同様に数値を大きくすれば反応が鈍くなり、数値を小さくすれば反応が敏感になります。

こういった特徴を抑えて、個人の好みで自由に設定を変えてみましょう(´ー`)

もし「どうしたら良いのかわからない」というヒトは、基本設定3パターンで使ってみてください。

ストキャスティクスの基本設定3パターン

番号 / ライン %K %D %SD(S%D)
14 3 3
9 3 3
5 3 3

ストキャスティクスに限らず、どのようなインジケーターでも重要なのは「何を見たいのか?」という目的です。ですので、設定数値を変更する前に「ストキャスティクスをなんで使うのか?」「どう使えば良いのか?」を考えてみてください(・∀・)

まとめ

ストキャスティクスは、正しい基礎知識と相場の本質を知った上で使わなければ十分に性能を発揮できません。

最初のうちは小手先のテクニックに頼りがちになってしまうものですが、今一度FXの本質に目を向け、本来の性能を引き出せるようなテクニカル分析を目指してみてください(´ー`)

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